知らない町を見ているような・・・

 らもす・・・なんか違う町のようだったよ

 生まれ育った町へ帰った。
 駅を出て一番最初に見えたものは・・・
 
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 背の高いフェンスより高い山。泥と瓦礫でできた山。
 この積み上げられた山の中には
 昨日まで当たり前だった暮らしがある。
 見慣れた床や柱や屋根やテーブルや椅子や写真や車の一部や・・・
 形はすっかり変わってしまったが、ここにある。
 
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 私はこの町を出てから もう30年くらい経つ。
 ここで暮らしてた頃の私は、テレビや雑誌でみる世界から遠く離れた
 「刺激」のない田舎暮らしに愚痴をこぼしていた。
 何もない田舎から、いつか都会に出る日を心待ちにしていた。
 でも、それまでは・・・その日がやってくるまでは
 それなりに、一生懸命生きてたように思う。

 私も、そして友達も、この町を離れ、今は違う場所で暮らしている人が多い。
 それぞれが違う場所で、違う暮らしをしていても、
 ここに戻ると、みんなあの頃の懐かしい笑顔に戻る。
 いつもと変わらない顔ぶれ、いつもと変わらないお店
 「この町も、昔栄えてた頃と違って、もうだめだね~」なんて言いながらも
 ここに戻ってくると、素の自分に戻ることを許されてるようで、ほっとしたものだ。

 故郷というものは、そういうものなのだろうか。

 山があって、海があって、あの顔があって、あのお店があって・・・
 歳を重ねれば重ねるほど、この町が好きになっていった
 帰る(戻る)田舎があることは幸せなことだった。
 
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 でも、今。
 こんなに町が変わってしまっても、
 
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 懐かしいお店が無くなってしまっても、
 
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 私たちは、以前より もっともっと この町が好きになった
 
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 正直に言うと、
 私には、あちこちに懐かしい思い出が残る町ではあるけど
 見慣れた町とは言えなくなってた。
 「あれ?ここに○○ってお店があったよね?」と聞くと
 「姉ちゃん、そのお店、もうとっくになかったし・・・」と言われる。
 一年に一度、帰省するかしないか・・・の
 町の記憶はどんどん薄れていくし、知らないことが増えていく。
 その町が、こーーーんなに変わってしまうと、
 まるで 知らない町を見てるような、なんとも不思議な光景だった。

 その中に、私の懐かしい思い出から外せないお店を見つける。
 つい半年前に帰省したときの記憶のまんま、
 昔のまんまで残ってない姿を見ちゃうと
 大事にしてきたタカラモノを一つ。そしてまた一つと・・・
 太刀打ちできない自然のチカラによって失くしたものは
 「しようがないよな~」そう言って手放すしかないのか?と悲しくて辛かった。
 寂しかった。切なかった。胸がぎゅーっと締め付けられた。

 身内や同級生などは、あの日のことを笑って話す。
 よくそれで生きてたね~ってことを笑って話す。
 悲しい話も、辛い話も、最後には笑い話にしてしまう。
 きっと昨日まで何度も何度も涙を流したことだろう。
 いや、今もまだ、この先もずっと、涙を流す日があるのだろう。
 ある人が言っていた。

 「悲しいごとや辛いごどを思い出したりしてるわげでねーし
 普通に、ただあるいでいるだけなのによぉー
 何が何だがわがんねげど、勝手に涙がでてんだっけー」


 って・・・

 私みたいに日本から東北から遠く離れたとこに居る人が
 「わかる」と言うのは、あまりに軽い感じがするし
 その人の何百分の1くらいかもしれないけど
 何だか、それが、「わかる」ような気がする。
 確かに、ここで?このシチュエーションで?ってとこでこみ上げてくるのだ。

 友達は、少しでも早く町が元気を取り戻すことを願い、
 熱い想いで新しい街づくりを考えている。
 是非それに参加したいと、東京から車で何度も帰っている。
 しかし私は、その話を「そうだね」「うんうん」と聞きながらも
 彼女よりも、もっともっと手前で止まったままだ。
 そのつもりで帰ったのに、止まったままだ。
 これではいけない。
 
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 そうだ!負けてはいけない。
 どんなに悲しいことがあっても、明日はやってくるのだから。
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by loveletterjunkone | 2011-07-04 13:00 | おかあさんのこと