なつかしい味 もちケーキ
らもす・・・家の中、あっま~いニオイしてたね。
この土地で暮らし始めた頃、不動産屋さんからA4サイズの紙の束を渡された。
それは、所々、訂正してあるのがわかるような・・・
手作りで手書きの便利帳だった。
この地域で暮らすのに必要なこと。
病院の事だったり、買い物場所であったり、
運転に関する情報であったり、観光情報であったり・・・
地図さえも手書きの便利帳は、ほとんどが3年以上も前の情報で
読みにくくて、それでもこの便利帳に記された情報を頼りに暮らしていた。
そして、この土地で暮らすためのもう一つの便利帳は、料理のレシピだった。
ある程度のものは手に入ったが、まだまだ思い通りのものは作れなかった。
そんな中、先輩達は創意工夫してレシピを考えたのであろう。
伝えられていく・・・そんなレシピはいくつかあった。
一番、最初に出会ったレシピは「もちケーキ」というものだった。
このケーキは手に入る材料で、とても簡単に作ることができた。
もっちり、ずっしりしたそのケーキは、甘くてお腹持ちが良く、
手軽に食べられる事もあって、時間のない朝ごはんにはぴったりだった。
「もちケーキって知ってる?」と聞くと、周りの誰もが知ってるケーキ。
知らなくても必ず誰かが教えてくれるようなケーキ。
何度作ったことか?何度食べた事か?
毎日仕事のように通っていたクレイアートセンター。
ロクロに向かいながら、このもちケーキを汚れた手で摘んでは食べていた。
その頃の仲間の誰かが、必ず焼いてきてはおやつにしていた もちケーキ。
今では、その有り難いレシピ料理を作る事はなくなった。
今では、便利帳も必要ない。
この土地で暮らし始める人には、とっても優しくて便利な場所になった。
情報だってインターネットで簡単に得られる。
誰かに聞く必要もないほど情報は溢れてる。
料理だって、苦労することなく、欲しい食材が手に入る。
今まではカツカレーやコロッケカレーの為の、
たった二枚のトンカツだって、
たった二個のコロッケだって、
わざわざ手間暇かけて作らなければなかった。
しかし、今ではそんなちょこっと惣菜も簡単に手に入る。
チャーシューだって、煮卵だって、大学イモだって、煮物だって、
酢の物だって、漬物だって、お弁当だって、おにぎりだって・・・
何だって自分で作らなくても手に入る。
その便利さと共に忘れていく、懐かしい味「もちケーキ」
便利さを当たり前に求めてしまっているこの舌は、
懐かしい味をどう感じるのだろう?
何年ぶりかに焼いてみた。
ここで暮らす大勢の人が知っていたあのケーキを・・・
ここで暮らし始めてる人たちは知ってるだろうか?
これから知るのだろうか?
この、もちケーキ・・・という懐かしい味を・・・
この土地で暮らし始めた頃、不動産屋さんからA4サイズの紙の束を渡された。
それは、所々、訂正してあるのがわかるような・・・
手作りで手書きの便利帳だった。
この地域で暮らすのに必要なこと。
病院の事だったり、買い物場所であったり、
運転に関する情報であったり、観光情報であったり・・・
地図さえも手書きの便利帳は、ほとんどが3年以上も前の情報で
読みにくくて、それでもこの便利帳に記された情報を頼りに暮らしていた。
そして、この土地で暮らすためのもう一つの便利帳は、料理のレシピだった。
ある程度のものは手に入ったが、まだまだ思い通りのものは作れなかった。
そんな中、先輩達は創意工夫してレシピを考えたのであろう。
伝えられていく・・・そんなレシピはいくつかあった。
一番、最初に出会ったレシピは「もちケーキ」というものだった。
このケーキは手に入る材料で、とても簡単に作ることができた。
もっちり、ずっしりしたそのケーキは、甘くてお腹持ちが良く、
手軽に食べられる事もあって、時間のない朝ごはんにはぴったりだった。
「もちケーキって知ってる?」と聞くと、周りの誰もが知ってるケーキ。
知らなくても必ず誰かが教えてくれるようなケーキ。
何度作ったことか?何度食べた事か?
毎日仕事のように通っていたクレイアートセンター。
ロクロに向かいながら、このもちケーキを汚れた手で摘んでは食べていた。
その頃の仲間の誰かが、必ず焼いてきてはおやつにしていた もちケーキ。
今では、その有り難いレシピ料理を作る事はなくなった。
今では、便利帳も必要ない。
この土地で暮らし始める人には、とっても優しくて便利な場所になった。
情報だってインターネットで簡単に得られる。
誰かに聞く必要もないほど情報は溢れてる。
料理だって、苦労することなく、欲しい食材が手に入る。
今まではカツカレーやコロッケカレーの為の、
たった二枚のトンカツだって、
たった二個のコロッケだって、
わざわざ手間暇かけて作らなければなかった。
しかし、今ではそんなちょこっと惣菜も簡単に手に入る。
チャーシューだって、煮卵だって、大学イモだって、煮物だって、
酢の物だって、漬物だって、お弁当だって、おにぎりだって・・・
何だって自分で作らなくても手に入る。
その便利さと共に忘れていく、懐かしい味「もちケーキ」
便利さを当たり前に求めてしまっているこの舌は、
懐かしい味をどう感じるのだろう?
何年ぶりかに焼いてみた。
ここで暮らす大勢の人が知っていたあのケーキを・・・
ここで暮らし始めてる人たちは知ってるだろうか?
これから知るのだろうか?
この、もちケーキ・・・という懐かしい味を・・・
by loveletterjunkone | 2008-12-29 01:01 | 思い出